金型・治工具の耐久性を3倍以上に向上させる真空焼入れ「KHD処理」
平成18~20年度 戦略的基盤技術高度化支援事業
~金型・治工具の耐高面圧化に資する拡散・表面被覆融合処理技術の開発~
~金型・治工具の耐高面圧化に資する拡散・表面被覆融合処理技術の開発~
KHD処理とは?
燃費の改善のための軽量化と安全性強化の双方の観点より、「高張力(高強度)鋼材」の導入が増加しています。しかし、これらは難加工材であるため、金型や治工具の摩耗が激しく、高強度化・耐久性強化が求められています。本開発技術では、これらの治具に真空浸炭処理を施し、耐高面圧摩耗に優れた表面改質処理を実現し、金型や治工具を「長寿命化」し、金型の取り換え頻度の削減によるコストダウンと生産性の向上を実現するとともに、今後予想される「更なる高張力(高強度)鋼材への対応」を実現していきます。
※詳細については、研究開発成果等報告書をご覧ください。
【従来の溶融塩処理(TD処理)】
【國友熱工が開発したKHD処理】
[表面処理方法比較]
KHD処理 | TD処理 | PVD | CVD | |
処理方法 | 溶融塩浸漬・熱化学反応 | プラズマ | ガス熱化学反応 | |
処理温度(℃) | 900~1000 | 1000 | 500 | 1000 |
膜厚(㎛) | 7~20 | 7~10 | 1~5 | 3~15 |
基材強化層 | 有 | 無 | 可 | 無 |
膜厚の均一性 | ◎ | ◎ | △ | ◎ |
密着性 | ◎ | ○ | △ | ○ |
寸法精度 | △ | △ | ◎ | △ |
主な適用鋼種 | SKD・SKH | SKD・SKH | 鉄鋼・超鋼 | SKD・SKH・超鋼 |
実用化事例
寸法変化率:0.02~0.06%
適用鋼種:熱間および冷間ダイス鋼、高速度工具鋼、クロムモリブデン鋼など
- ブランジャーピストン
- 曲げ、送り用ローラー
- 引き抜きダイス
- パイプマンドレル