高濃度浸炭焼入れ「FCD浸炭処理」のメリット
特徴1:「炭化物分散層」を持つ焼入れ
1
クロムモリブデン鋼~SUS・各種金型用鋼まで幅広く対応可能
→クロムモリブデン鋼表面が合金工具鋼に変わるため
2
耐摩耗性・耐衝撃性が高く欠けにくい
→微細な炭化物と結晶粒のため
3
ガス浸炭に比べ耐熱性が高い
SCM420鋼の炭化物分散層
(0.2~0.3㎜)
特徴2:処理品の表面硬さを任意設定可能
処理品の表面硬さは、焼戻し温度により任意に設定可能で、通常のガス浸炭処理に比べ焼戻し軟化抵抗が高く、耐摩耗性と耐衝撃性に優れた表面改質処理です。
左図)ガス浸炭処理と比較した場合
FCD浸炭焼入れ(fain-carbide-dispersion 浸炭)開発秘話
一般的な浸炭焼入れは表面炭素濃度を0.8%程度に調整して、浸炭表面に網目状炭化物の析出を抑制します。これは、浸炭表面に網目状炭化物が析出すると浸炭硬化層が脆弱になる為です。従来より、耐摩耗性と耐軟化抵抗を向上させる目的で浸炭表面に炭化物を積極的に析出させる高濃度浸炭焼入れが一部の機械部品に適用されて来ましたが、下記の問題問題が有り、広く適用されませんでした。
・炭化物が粗大化したり、粒界に網目状に析出するなどで脆弱な硬化層となる。
・高濃度浸炭処理の専用鋼が必要。
・浸炭炉内のスーティング(煤の付着)が激しく、連続操業が困難である。
弊社は高濃度浸炭の優れた特性を様々な機械部品に適用することを目的に、上述のような特徴を持つ高濃度浸炭焼入れFCD浸炭焼入れを実用化し、多くのお客様からご好評を頂いております。
実用化事例
- 一軸破砕機用回転刃、シャクレ刃(45角)
- 純チタン製ナット